右のサイドバーの旧暦表示欄に江戸時代の時刻表示(一応ブログパーツ化した)をつけてみた。
理由は単純で私が昔の時刻表示(例えば”子(ね)の刻二つ”)と言われてもピンとこないから(分かるのは『草木も眠る”丑(うし)三つ”時』(=2:00amごろ)ぐらい)。
調べていくと、この時代の時刻表示は大別すると2つあり、①十二支を用いたもの(”丑三つ”など)、②数字だけのもの(”六ツ”など)、があることが分かった。
①十二支を用いたもの
- 一日を12分割して各干支に割り振る。それぞれ干支が時間の一単位(一刻(いっとき)=2時間ぐらい)。
- 一刻(各干支)を4等分して”一つ”、”二つ”、”三つ”、”四つ”とする(”四半刻(しはんとき、30分ぐらい)”)。
- 一刻の分割方法には上記の4等分とは別に”初刻”と”正刻”の2等分にするもの、”上刻”、”中刻”、”下刻”の3等分にするものもある。
②数字だけのもの
- 午前・午後をそれぞれ6分割して、最初が”九ツ”で、”八ツ”、”七ツ”・・・と続き、最後が”四ツ”に割り振る(時間は過ぎていくが数は減っていく)。
- 各数字の時間帯の後半には”半”をつける。
- (江戸時代の初期と中期以降では半刻(はんとき、1時間ぐらい)ずれており、初期は十二支と一致している)
(図をクリックすると拡大して表示されます)
んでもって上記のような変換図がすぐに見つかり、「カンタンだな。」と思っていたら大間違い。調べていくと、この時代は一部の特殊な人々(天文学者など)を除き、『不定時法』という、ヒトにはヒジョーに分かりやすく、プログラミングにはヒジョーにメンドーなモノが使われていた。
■不定時法の定義:
- 日の出の36分前を”明(あけ)六ツ(=卯三つ)”、日の入りの36分後を”暮(くれ)六ツ(=酉三つ)”として、その間を6等分したものが一単位(一刻(いっとき))。※1
要するにですね、季節によって、また昼と夜でも時間の一単位が異なる訳ですよ。
夏ならば、昼間の一刻は長く、夜の一刻は短い。
冬ならば、昼間の一刻は短く、夜の一刻は長い。
とーぜん、昼間の始まりと終わりである、”明六ツ”、”暮六ツ”は日によって異なるし、日の出と日の入りの話なので場所によっても異なる。現在の時法との共通点は1日の長さが同じであることぐらい。昼の12:00とこの時代の正午(午(うま)の正刻(=午三つ))も一致しない。
・・・・・。
とりあえずプログラムは作ってみたんですがね、表示のシンプルさとは裏腹に意外とチョー大作になってしまった。ちゃんと動いているのかなぁ。バグ(不良表示)を見つけたらお知らせください。
(上記の各定義の内容・言葉の用法にも誤りがありましたら指摘ください。なんかネットで調べていてもいろんな似て非なる言葉が錯綜(どれも断片的な情報でまとまったものが無い)していてよー分からん!)
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9/27追記:
※1:1797年以降は、「京都において太陽の中心が地平線の下7度21分40秒の位置になる時間を明六ツ、暮六ツ」と定義しています。ちなみに現在の”太陽の中心が地平線の下7度21分40秒の位置になる時間”は理科年表に「夜明」「日暮」として載っています。
(と言う定義なのですが、このページの不定時法の時刻表示は”日の出36分前、日の入り36分後”を使っています。理由:太陽の位置を割り出すのがタイヘンだから f(^_^;)。
※:不定時法は二十四節季の一期間(節季)中は、その節季の最初の日付で定められる時刻を使っていたそうです(理由:毎日時刻が変わるのはやっていられないから)が、このページの表示は毎日変わってしまいます(理由:二十四節季と連動するのがタイヘンだから)。でもまあ、そんなに違いはありませんし・・・ f(^_^;)。
■参考ページ(一部):
『不定時法』 http://www.astrophotoclub.com/huteiji.htm
『江戸の時刻制度”不定時法”』 http://www.gakken.co.jp/kagakusouken/spread/oedo/03/kaisetsu1.html
『江戸時代の時刻、不定時法』 http://www.geocities.jp/afi_651/japantime2.html
『江戸時代の時間』 http://homepage3.nifty.com/ponpoko-y/joho/toki.htm
『江戸時代の時刻-辰時(とき)』 http://www008.upp.so-net.ne.jp/koyama_h/sirabetakoto/mojiban.html
『江戸時代の時刻換算(不定時法) - 高精度計算サイト 』 http://keisan.casio.jp/has10/SpecExec.cgi?path=01200000.%82%B1%82%E6%82%DD%82%CC%8Cv%8EZ%2F01000000.%8E%9E%8A%D4%2F14000100.%8D%5D%8C%CB%8E%9E%91%E3%82%CC%8E%9E%8D%8F%8A%B7%8EZ%81i%95s%92%E8%8E%9E%96%40%81j%2Fdefault.xml
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1 コメント:
江戸の時代、時を告げる大切な鐘。
暮れ六つなど実際に鐘を打つ時は、
時の刻プラス2つを叩いたそうです。
初めの2つは、これから時を告げますよ、
準備してね、ゴーンゴーンと突き、合計から
六プラス2つで八つ。暮れ六つ。
聞き漏らしがないように作られたそうです。
余計に分からなくなりそう。
と、聞いたことがあります。
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