コオロギを靴に差し入れ自慢猫
学生の頃、猫を飼っていた。
はなという名をつけた茶虎柄の猫だ。
出会いは今はなき近鉄バッファローズの本拠地、藤井寺球場。
そこにマクドナルドの袋に入れられて捨てられていたのだ。
あまりにも不憫でそのまま取り上げた。
育つにつれ、はなは悪く悪くなっていった。
家出は当たり前。ひどいときには一週間は帰らない。
そのときも家出帰りだった。
いつものように家の裏側の窓に全力でぶつかり帰還をアピール。
窓を開けてもらうと、なにもなかったように泥だらけのからだで、
するりと部屋を一瞥する。
飼い主はというと、仕方なく新しい水を汲み、餌を入れ替える。
玄関口からはなの声がする。
なんやねんと思いつつも玄関に向かう。
ついでやからこのままコンビニに行こうと思い靴を履く。
にゅるっとした感触が足の裏を這う。
なんやねんと思い靴を脱ぐ。
つぶれたコオロギ。
にゃあと鳴くはな。
こいつがやったのだと直感する。
きっと狩りで得た獲物を自慢したくて僕の靴の中に差し入れたのだ。
ドヤ顔の猫。
鼻を軽く小突き新しい靴下に履き替え僕はパンを買いに出かけた。
2013年8月7日水曜日
はなの日
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