百円でたこ焼き十個冬笑顔
※僕は30年来通っているたこ焼き屋さんがある。
いまは大阪を離れたたこ焼き不毛地帯にいるので、
年に一度くらいしか行けてはいない。
自宅兼店舗の小さなお店だ。
昔はおばちゃんひとりでやっていたが、いまは定年退職したご主人も
いっしょに並んで焼いている。
小学校3年生の時にはじめて行った僕。
不惑を越えて懐かしさで行く僕。
僕はずいぶん変わったが、変わらないものがある。
たこ焼きの値段である。
いまも昔も、10個100円。
僕はおばちゃんに尋ねる。なんで値上げせえへんの?と。
「たこ焼きは子どものもんやろ。
少ないお小遣いで買ってくれるもんやろ。
値上げなんかでけへんわ」
おばちゃんは続ける。
「なにより毎日子どもらが来てくれるのがうれしいねん」
そう言っておばちゃんはニカッと笑う。
心意気という言葉が、ぽっと頭に浮かんだ。
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1 コメント:
小学五年生の教科書に載せたい文章です。
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